いまのところは/ホロウ・シカエルボク
 
いては…彼女はそのパソコンを見ながらぽろぽろと泣いた、どうしていつも、こんなことになるのだろう?こうしようと決めたこと、こうしたいと思ったことは、いつもなにかのせいで駄目になる―悔しくて仕方がなかった、どんなに泣いても涙は止まらなかった、しゃくりあげながら彼女は舞台へ向かった、観客はもう居なかったし、彼女のメイクは最悪だった、せめてと精一杯考えたアングルもロケーションも、すべてが駄目になった―だからこそ、このまま幕を引かなければならない、笑って死にたいとか、きれいに死にたいとか、もうそんな気持ちなんてない、わたしが、わたしらしく死ぬだけだ―それが、彼女の出した結論だった、椅子に上がり、輪っかに首を
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