回春/
岩下こずえ
チャッカマンが屹立している、夜さ
めしべが煙る浜茄子の丘
とおいとこから土砂崩れしてくる老人の糞便
溶解後8のマグニチュードの筆記体
「よれてゆくのだと思う、あかり、わたしの名前も」
良夫の独白は朝日に解けるのであった。
そして大根畑には
こうもり畑のあかニンジンが青筋を立てて屹立しない
名のないものを燃す、そのにおい
良夫の顔は法悦の歓びに満ち満ちているのだ。1985.夏。軽井沢山荘にて。
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