ありがとう。/
梓ゆい
父の額に手を置いて
硬く冷たい頬をなでながら
最後の言葉を贈る。
「ありがとう、お父ちゃん。ありがとう。。。
次もまた、お父ちゃんの子供に生まれたいなあ・・・・。」
風に吹かれて舞う雪は
肩を抱くかのように降り注ぎ
さようなら一つも言わないで
奥の畳部屋から旅立った・・・・。
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