温めようとして君の手を握ると僕の方が冷たかった/中村 くらげ
思い込みが激しくて
優しさなんて薄っぺらで
頭の中ではかっこいい台詞も言えるのに
滑舌が悪すぎて
伝えたいことはひとつも伝わらなくて
笑っている君をみて僕も笑う
寒い日が続きます
手袋はしない主義
ポケットに突っ込んだ右手の中で踊るコイン
缶コーヒーを飲もうかな
それとも君の好きな
ココアの甘さを思い出しながら家に帰るかな
頑張って気にしているけど忘れっぽい性格のせいで
大事な話の続きもどこかに置き忘れてきてしまう
ごめんね 気が利かなくて 怒らないでよ
手を繋いで帰ろう
今日は雨
傘はひとつでいいや
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