Miz 2/深水遊脚
て、政志君が話したほんの一部が、なかったことになるだけ。……
(そういう記憶の操作はほかにもやっているの?)
少し怒りが滲んでいたと思う。とても傲慢な気がした。
……あなたがいま怒っていること、その理由、よくわかるわ。そのことに違和感を感じてくれる人でよかった。矛盾しているし、本当に人間のことを信頼しているなら、これはしてはいけないこと。……
(その、してはいけないことをなぜしているの?)
……人間のことを信頼しているなら、と言ったわ。でも信頼できないから、ヒーロー結社は存在しているの。その存在を意識体は望んでいる。そして意識体の意思は、過去の人間の遺志の束。そう考え
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