Miz 1/深水遊脚
ない。もうこれだ。政志は滔々と市田家と彼らが運営するヒーロー結社のことを話し出したが、マミズさんはすぐマミさんになり、五回目くらいには、あろうことかマミちゃんになっていた。この人もか、と軽く失望した。といっても男性の平均的なしゃべり方だったのでそのまま受け流した。距離を縮め慣れている、そんな感じだった。それでいて私の反応の仕方はよくみている風で、わからない顔をしたときは話し方をゆっくりにしたり、難しい言葉を避けたりしていた。こちらが身を乗り出すと向こうの話し方も滑らかになった。無神経はあくまで無神経であるけれど、こちらの意思はきちんと汲んでくれるので一応安心できるタイプだろう。そう思った。まだ油断
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