渦/AquArium
 
いつもより高い位置にかけてある
シャワーをとる
水滴も壁一面に広がる
湯気で見えないほど白い空間

お酒に酔わないわたしの判断は
いつだって冷静だから
この先に起こることくらい
容易に想像がついている

もう何度来たんだろう
まるで自分の家のように
くつろいでベッドに横たわり
テレビを見ている

ひとりじゃないんだ
という現実を噛み締めて
温かさを感じながら
何とも言えない歯痒さに包まれる

恋人らしく振る舞うのは
26時を過ぎたころ
その瞬間は誰のものでもない
その瞬間だけは

語尾がやさしくなるタイミング
少しだけわかってきた
わたしの名前
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