えいえんタウン/竹森
 
さえも炙り出せる程の透明な光に包まれていました。
恋人たちの密談に背を向けて、
聞こえないふりをしていたのはお互いさまで。
蝶々が花に留まる様に、
やつれていく頬/に/笑みが留まる、
そんな花畑の向こうでは、
名前を欲しがる沢山の子供たちが
巨大な鉄格子の中に押し込められて、泣き叫んでいて。
僕らはそればかりに見とれていたので、
街と呼べそうなものは、それ以外には、
何一つだって
見当たらなかったのでした。
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