凍らない水/まーつん
 
 泳ぎ回る私たちは、いずれ
 魚のように釣り上げられ
 岸へと投げ出される

 昨日も、明日もない世界に

 時の流れの片隅にある
 小さく隠れた吹き溜まりの中で
 尾びれを打ち振ることも忘れ
 ゆっくり、グルグルと
 漂うだけのあなた

 傍らに
 寄り添っている私の姿に、
 どうか、気付いてくれませんか


 
 その瞼を開いて





                                2015.1.25

戻る   Point(12)