金網の外へ/
天野茂典
サイコロを振った
吉とでた
月と河童
昭和に青春を送り
平成でこけた
死が怖くなった
たとえ河原乞食になろうとも
怯えることには変わりはない
禍々しい苔
水分を含んで
森に眠る
姫
あんなに孤独な月がでている
河童も住めない
大地 と呼べるか
姫
交わろう
月の裏側で
温めあおう
ローカルバスが暗すぎるので
本も読めない
死を逃れる術は
エロスしかない
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