perdendosi/衣 ミコ
 

悲しみまでも
どこかよそよそしく
荒ぶ冬の
窓際に飾った
クロッカスに宿る
想いを晒すように
萎れた花弁を千切るとき
浮かんでくるのは
たった五文字の
届かなかった言葉さえ
享受する
小さな容に
口付けて
触れた部分から広がる
なぐさめを
拒みきれずに
風に泣かされる
硝子にそっと
爪を立てる


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