詩/葉leaf
 



夜の街路で、街灯もない道を私はさまよっていた。正義はいつでも鋼鉄でできている。それは鋼鉄の壁かもしれないし、鋼鉄の刃かもしれない。私は自らの著作の記述で異教徒を激怒させ、異教徒に追われていた。だが、この異教徒は詩だ。私が信念を吐き出して安堵してしまったとき、鋼鉄の切れ味で私を追い詰めてくる他者、それは私の中の他者であり、私の中の詩に他ならない。私は街路で躓いて転んでうずくまる。どうやら膝をすりむいたようだ。追っ手はどこにいるのか。私を捕まえて何をしようとするのか。私はひたすら論理的で体系的で整合的で完璧な表現をしたいのだ。だがそんな私を理解不可能な鋼鉄の正義を振りかざして追撃するものが
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