大層な砂利銭/北井戸 あや子
 
気が付いた頃から、神社や寺で金を投げ捨てる行為をしている

よく意味も解らずに
その行為が一体なんの足しになるのかと
頭の片隅に追いやられた疑問符だけは理解している

その腹をはち切れそうな程に満たした財布から
硬貨が減るたびに
よく解らない何かが胃の中に落ちてくる気がして
少し不愉快な気分になる

無駄遣いするなといいながら
あの道端の溝を飾り付けた様な箱を見つけては
金を投げる両親がどこか可笑しく、別人に思えることは
なんら変わりない日常の一コマで

形も見えず居る証拠も無いモノに
何故そこまでする必要があるのかと
疑問を投げる脳ミソを捏ね回して
そんなも
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