泣く人へ/
itsuki
夜の向こうで朝に臨む
君の思想は液晶の中に
綴じることをゆるしてくれる
実体はある
ふれることはゆるされないが
印をつける人
私の肌を征服する人
暗闇と、たばこの熱を
共有して愛する人
この思慕をしらずに嘆くことばの
かなしさに益々夢中になって
まるい後頭部を
撫でるだけの立派な手は持てず
欲しがられもしない
打ち棄てる
君はそれを望んでいる
君はずっと憂いに生きて
幸福の希求と恐怖をくりかえして
さみしいと言え
さみしいと言えよ
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