普通になりたい/小日向 ココ
 
沸々と沸き上がるのはただの疲労感で
何に感動し
何に笑みをこぼしていたのかなんて
遠い過去のトランクの中

呟く言葉も目に映る景色も
全部がイライラと脳内へと跳ね返る
書きなぐりたい衝動は
指先を爆発させるんだ

蠢け、わたしの精神
疲れ果てていても
負けるな、わたしの精神
何も変わらない世界だとしても
力のない指先だとしても

握りしめた普通を渇望する旗
ひらひらと世界の風にたなびかせながら
今日もわたしは仕事をする

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