コガネムシ/mizunomadoka
 
うに笑う彼女が

夕日で金色に輝いてとてもきれいだった

ずっと私を待っててくれたのに

二度と会えなかった

雲梯の足元にドングリが数個

転がってた

私は立ち上がってビニール袋をとり

そこらに落ちていた瓶や缶や花火の燃えかすを集めて入れた

指先で砂に絵を描いた

あのときのコガネムシ

部屋に戻る前に透明水彩を買おう

春に帰省してあの雲梯にいこう

色とりどりのスケッチブックと

きれいなドングリを持って








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