帰り道/
吉岡ペペロ
。お母さんが回復してきた兆しだった。
私はそれがなにかの終わりのような気がしてあまり嬉しくはなかった。でも弟と顔を見合わせてにやっとし合った。
電車が動き出した。アナウンスが謝っていた。
帰りは地下鉄ではなくて街の風景が見える電車で帰ることにしていた。
もういつもの電車だった。
悲しくも懐かしくも誰かをうらやましがったりも楽しいこともないいつもの電車だった。
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