帰り道/吉岡ペペロ
るようだった。
お母さんが寝込んでしまうのは学生時代の友達の家にいくとうちの貧しさに愕然とするからだった。なら何故なんどもいくのか。私には分からなかった。
でもお母さんがこうなると家族には一体感がでた。
お母さんがはやく元気になれる原因をつくろうとお父さんや弟と黙って協力するのが楽しかった。
寝る前部屋を暗くして弟とモーターや豆電球で遊んでいるとお母さんの叫び声がした。モーターはやめて音のしない豆電球で遊ぶことにした。遊んでいたモーターから昆虫みたいな匂いがした。
豆電球には緑や赤の膜がついているのがあって透明のよりその色付きのに見入っていた。
お母さんは断続的に叫んでそれが終わると今
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