けものみち/衣 ミコ
積もる雪が暫しの暇を
流れる雨が暫しの癒しを
与えてくれている間に
答えを探して
這いまわる
けものの
みち、
愛を験す事はしてはけないと
高尚な教えに諭されて見えなくなっていた
聖人でも賢者でもないけものの
選択は完璧ではなくて
それでも今傷付きながら
なんとか生きてきた
なんとか生きているなら
畏れに負けずに何度も問い掛ける
天地がひっくり返っても
平気で生きていける
すべて抱き締める
そんなしたたかな情を身に付ける
けものの
みち、
またたく目蓋
鋭い眼差しを
閉じ込めた
永い眠りから
いつか醒めたい
ぼくたちの
みち、
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