三番目の彼女(後編)/吉岡ペペロ
 
それから数日間、サエコのことをよく考えていた。
それは彼女が誰に殺されたのかというより俺の喪失についてだった。
サエコはいずれほかの男と結婚するだろう。そう思っていた。だけどそれは俺にとって喪失ではなかった。
でも今確実に俺は喪失のなかにいた。
身近なものがなくなるとはこういうことなのだ。
その数日間はツートップと頻繁に会った。
サエコの事件については話さなかった。話したくなる気持ちがないでもないのが怖かった。
ツートップにはやたらとフェラチオさせた。
俺はフェラチオが嫌いだった。歯があたるのが嫌だった。
フェラチオさせながら腹や胸やキンタマを撫でさせた。
でもやはり歯があたる
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