元日の夜に/草野大悟2
っと早かばい」
「洋ちゃんもそうだった?」
「ああ、そぎゃんだった」
「みっちゃんは?」
「美智子? 美智子はねえ、普通」
「は?」
「だから、普通」
「そぎゃんねぇ。ミチの場合、やっぱ普通だな、うん」
「ねえ、ねえ、なに二人で分かり合ってんの、私たち全然理解できないんですけど」
「そっでよか。次第に分かる年齢になる」
「そうですよね、お父さん」
「そぎゃんたい、修三君」
「俺もそぎゃん思います」
「だろがい、龍兵君。うんうん、二人ともよーできた旦那ばい。なあ、香織、亜紀」
孫息子のツブラと孫娘のテルマは、そんな大人の話にはまったく無関心で、一心にお笑い番組に見
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