奇世の泡粒(xeno-pop)/なけま、たへるよんう゛くを
 
わせて閉まるのに 僕が寒い部屋へ出るとき 戸は少しだけ閉まらない いつもそうだ
新設の街灯はやけに明るい 親の点けていったラジオはやけに煩い 他人の描いた絵はやけにきれいでかけがえもない いつも

誰か
誰か日本語で英英辞典を書いてくれ 誰か誰か僕の為に
誰かリスクのない手術を産み出してくれ 誰か終章の来ない物語を紡いでくれ 誰か掠れたままのボールペンを発明してくれ
誰か宿題のない学校を 誰か諦めなくてもいい夢を 誰かシワ寄せる皺もない社会を
七色の筆を 違わぬ記憶を 心が満腹になるような水を 苦しみのない悲しみを びいどろの家を 尻尾の炎が消えた人生を

誰か僕以外の誰でもいいから どうか僕の僕の為だけに


心が可笑しい 特に目玉の裏とかが

(フェード)
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