詩は現実逃避ではない/葉leaf
 
あるのだ。だからそれは単なる刹那的な夢で終わるものではなく、その後の詩人の在り方をより豊かにするのである。
 さて、ここまでは実際に詩を書いたり読んだりするときに起こることについて書いてきたが、そもそも詩というジャンルにかかわることが、社会に適応できなかった弱者の現実逃避となる事例は非常に多い。結局何をしてもうまくいかなかった人間が詩をやるという事例は非常に多い。それはそれで構わないと思う。一種の社会的セーフティネットであろう。だが、そのような弱者のルサンチマンにより、詩が弱者の所有物のように語られることに対して私は反対である。詩というものは社会不適合者によってしか真にすぐれたものが生み出されな
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