Clock:/竹森
今夜はとても、星がきれいなのに、
望遠鏡のレンズを、いくら絞っても、
地平線の向こうには、焦点が、合わなくて、
乾いた枯草で手首を切り、流れ出た血を啜る、
ように、生きていけたなら、
と、誰も読まないように、長い、長い、言葉の羅列、
その中に隠された掌編を見つけた怠け者は、
ようやく自身に名前を授け、どれだけ、
抜いても、生えてくるので、一本ずつ、
千切っては、ひたいに貼り付けていく、私の、
長髪で、象は、瞼を降ろし、
赤い瞳は、黄色く、黄色く、
夜空へと、沈み、
丘の麓に、
これから満ちるのは、
静寂と、
海水と、
どこからともなく、
どこへともなく、
湧き出てくる、
あなたの、
もの、ではない吐息、
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