夕餉の風景/石田とわ
 



    木目の美しい一膳の、
    箸に惚れた
    色香を漂よわせ
    朝に夕にと
    おいしいものたちを
    口に運び入れ
    わたしに感謝の咀嚼をせがむ
    箸先が野菜とともに
    一瞬、舌にあたる
    その感触がせつなくて
    甘美な痺れが食事をより
    おいしくさせる
    わたしは無言で咀嚼する        
    
    
    

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