含み針/高原漣
 
あたしは秒針がきらいだ。
一秒ごとに死にちかづいてく
いやみったらしく音たてて
わけ知り顔でまわってる
文字盤に数字がこびりつき
焦げついたころに、アラームが鳴る。

からだは暗やみから浮きあがり
また暗がりの中につなぎとめられる

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