含み針/
高原漣
あたしは秒針がきらいだ。
一秒ごとに死にちかづいてく
いやみったらしく音たてて
わけ知り顔でまわってる
文字盤に数字がこびりつき
焦げついたころに、アラームが鳴る。
からだは暗やみから浮きあがり
また暗がりの中につなぎとめられる
戻る
編
削
Point
(2)