赤い山/
竜門勇気
来させない
君は君に似た狼に夢中で
俺は夢の続きに生きている
壁が近づいてくる
一人の世界が寂しいのは
無駄に目を開けるから
ほらここまで部屋は小さくなった
ドアを開けて握手
自爆専用のエンジンが回り出す
失敗と失敗との間が近づいていく
もう後悔も顔を出さない
ドアを閉じる手際はこれ以上なく滑らかで
何かの寸前ってことしかわからない
頭痛い
電話が鳴り止む
誰かがまた俺を諦めて
赤い山がもう一つ遠くまで見えるようになる
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