腹の底がむず痒い/鵜戸口利明
 
自分が不愉快だった
だいいち
素面の自分が厭いだった
己の理性というドグマを
そら恐ろしいほどに信仰し
総ての世界を断じて
そのくせ
内心慄えながらみすぼらしい
自分に吐き気がしていた

神経がはりさけた時
ぼくは
ウィスキー
ビール
ワイン
酎ハイ
浴びるほど呑んでいると
おもっていたよりも
世界は暗くて明るかった
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