向き合う鏡/為平 澪
る言葉も教えないまま 大きく育て上げました
(ヘビは赤い赤い舌であざとく舐める、子供の道は血より紅(くれない))
私が母親の真似事をすると 現れる子供
走り出し転げまわる笑顔や 朗らかな笑い声
私がてしおにかけて殺めてきたものは おそらくそういうお前の姿
(ソレデモ、オカアアサンガ、ダイスキダヨ、ッテ、イッテ!
天に属する者をヘビの子に変えた呪いが
私の体を這いずり回り 重く冷たい陰となる
(ソレデモ、イツカ、ボクヲ・・・・ シテ!
「肉体」という檻の中で 決して笑うことのない私とお前
ミエナイチカラに繋がれたまま 瞬き出来ずに向かい合う
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