君が為に/衣 ミコ
(産まれた時に授けられた
星の役目が決まっているとして)
四角い揺籠の中に閉じ込められて
人の幸せの為に全てを封印された
僕の出会いや進む道は操作され
自分の為に欲しがることもせず
それでも駄目だと言うんじゃないか
おまえは醜い星の子どもだと
その手は破壊の為にしかないと
そう言いながら僕を執拗に叩く
人の目の奥にあるもの
我慢が切れて大地が揺れれば
ほらまた壊した鬼の子だと叩かれる
言を吐いて死が溢れれば
ほらまた壊した鬼の子だと叩かれる
僕は僕の限界までは
人の幸せを祈っていたよ
これ以上の祈りは
僕が死ぬ事でしか成就しない
(僕は誰?(君は誰?)
鏡の中の自分
深い黒々としたその目の奥の闇
そこに僕はいる
君が僕を否定すれば
花の散るように
君はなくなってしまうから
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