ぼや@66丁目/香椎焚
 
詩がかけなくなりました。
あれほどあふれていたはずの言葉が
きれいさっぱり去ってしまって
現実だけがここに在ります。

ええ、ええ、健康です。
今までにないくらい、正常で清浄です。
なにせ何もしていないのですから。

一日一日、現実を生きています。
今晩何にするかなとか、冷蔵庫にトマトはあったかとか。
進まない仕事にどう弾みをつけるか、とか。
彼と仲直りしよう、とか。

たとえば、きれいな一本道に、枯れ葉が落ちているとします。
すると、ああ落ち葉だ、と思うわけです。
川沿いの夕暮れが美しかったとします。
きれいだなぁ、と感嘆するでしょう。
久しぶりに祖母とテレビ
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