僕   春と修羅 序より/梼瀬チカ
 


また僕が歩き出すと
暗闇の向こうで
誰かが僕を見ていた



春と修羅 第一集 序  宮沢賢治

私という現象は
仮定された有機交流電燈の
一つの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといっしょに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
一つの青い照明です
(ひかりはたもちその電燈は失われ)





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