馬酔木の咲く頃/藤鈴呼
 
、あせび
なんて話も 残っているんだそうな

お天気の空 
赤松の向こう側に 太陽が昇る頃

いや 方角を 間違っているのかも 
知れないけれど
ちょっとダケ 許してネ

とにかく 陽射しを受けた 白い花が
少し 桃色に 耀く様は
とても とても 美しいんだヨ

その ぷっくりとした 笑顔を
マクロ描写では 描ききれない

何も出来ない マグロのようだ
撮り切れぬ想いを 抱えながら
何度でも シャッターを 押すよ

君が生まれた頃には きっとなかった 
重たいカメラも

今じゃ ボタン一つで 
簡単に 接写モード

もう 拙者なんて言う時代では 
なくなったねと
山際の牡丹も 笑うだろう

この 綺麗な庭に 
ボタン一つ 落として歩けば
池に転がり

鯉が 間違って 食べてしまうと 
イケナイから

どうか 気を付けてね と 呟いて
また 歩き出す

花と 緑と
見えぬ マイナスイオンまでに
見守られる ように

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