漆色の夕陽が落ちて?/信天翁
 
    来年早々 かかげられるかも知れない
   祝卒寿の垂れ幕を そっと仕舞い込んで
    いまは リグレットの残骸を散らかし
     熾きの残り火をみつめているだけの
    おらがたどっている カルマの砂利道

              そして 遂には

        老耄のおひとりさまとなって
 ターミナル・ケァのあがきに 対峙するとき
血のなかの声が しっこくこだましてくるのだ
       「旅路に甘えはなかったか」と



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