海と陸/オダ カズヒコ
 
しまったように
文明をもまた変えてしまう可能性について
語り合っている

”瓦礫”の中にずっしりと埋まっていたものは
人の顔や腕や手足のほかに
たくさん心や汗だったこと

あるいはもっと
”別れ”の中に見つけた時間の
大きな失望について

出会わなきゃよかった?
起こらなきゃ
うまくやり過ごせた?

ぼくらはそんな人間の
卑しい考え方が
一番嫌いだ

昔から人の町は海のようだと思っていた
雑多な生き物たちがいて
とても豊かだ
だから一度海を捨てて出て行った者たちが
また戻ってくる理由も
よくわかるのだ
陸の上の生活は
とても不便だ
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