新年/葉leaf
まう。祝祭の時間は、緩やかな時間の流れの中で少しずつ人間に許されていく。この町では、まだ我々には新年という祝祭が許されるほど祝祭の時間が溜まっていないのだ。」
このように、議員ごとに新年が訪れない理由は様々だった。すると、私の後ろに座っていた長老がそっと私に囁いた。「新年が来ない本当の理由を教えてやろう。それは、我々が未だ新年を迎えるべき理由について一致を見ないからだ。かつて大晦日に開かれた議会で、新年を迎えるかどうかが議題となったが、結局結論を見ないまま年を越してしまった。そこで便宜上「1月」ではなく「13月」を用いたのだ。それが慣習となって続いているうちにここまで来てしまった。だがこれはただの慣習ではなく、我々のような罪びとに科された罰なのかもしれない。永遠に結論が出ないということは、永遠に罪が消えないということに他ならない。」
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