或る青年の話。/桜 葉一
引き篭り。
という代名詞を与えられた青年は、
暗い部屋でインターネットに入り浸りだった。
或る日、青年はチャットで知り合った女性に恋をした。
恋と呼ぶには幼すぎるものだったかもしれないが、
初めはチャットで話すだけでも十分だった。
何度もチャットで話すうち、メールもするようになった。
そして今度2人で会おうと約束した。
ネットサーフィンをしていれば、
そのうち彼に会えるかもしれない。
その時は、彼女とどうなったの?
と聞いてあげて、
もう、引き篭りじゃないかもしれないけれど。
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