喪服の街/
オダ カズヒコ
がした
ちっとも
綺麗になっていかない
思い出だけを残して
このドアノブの向こう側を回せば
「また明日」と
軽く手をかざし
別れていく交差点がある
考えてもみやしない出来事に
困惑の顔を浮かべるよりも
ありきたりの日常に
縋りつくお互いの顔に
困惑の顔を見つめてしまう
この僕らの街はもっと色んなものを
たくさん見ていたり
ずっと上手にちゃんと隠していたり
するというのに
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