かける/
木屋 亞万
なくなってしまったね
捨てられたものは誰にも思い出してもらえない
過ぎ去った過去はいつの間にか色褪せて朽ちていく
今ほどつかみどころのないものはないけれど
それでも手を振り回し足を踏み鳴らして
強く凛々しく進まなければならない
次の瞬間には何の意味もないものに成り下がったとしても
今この一瞬に輝いて弾け飛ぶことに命を懸けろ
他に命を張るべき場所は一つもありはしないのだから
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