小さな女の子みたいに/梼瀬チカ
し長いまつ毛を動かしながら
寝返りをうっている
街は夕暮れ時
誰も彼もが一日を終えたように
賑やかに通りをいそいでいる
立ち止まりそうになりながら
雑踏の向こうを見渡して
探している
私の中の小さな女の子を
私の中の小さな女の子はいつも夢見ていて
私は大人になっていて
仕事をしたり家事をやっていて
時々 小さな女の子みたいに感じるって
どういう事?
彼は私にそう言うけれど
彼が私にそう言う時
私はたいてい醒めていて
黙っている
喫茶店でコーヒーを飲み
ガラス越しの人の群れを
二人で黙って見つめながら
同じ方向に顔を向けて
時間が通り過ぎてゆく
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