勝手に汚してくれるな/ユッカ
 
昼のひかりで目覚めてはいけない。できるならひかりの青いうちにドアを開けたほうがいい。つめたい風すら味方につけて、歩いていくためには。

サファイアを薄めたような朝があるね。この街には。

したくないこともしなければいけないし、行きたくないところにも行かなければいけない。どこにも行きたくなかった、あのあたたかな部屋に帰りたい。すべてがあらがいでしかないように思えるとき、痛むところを抱きしめて、家の真ん中にうずくまっている。傷つけたことをいつも悔やんでいる。うつくしくないかもしれないと思う。わたしはもう、あのひとがうつくしいと言ったわたしをなくしてしまったのかもしれない。それでも。

勝手に汚してくれるな。きれいときたないでくくれるようなものだったなら、捨てることをためらったりしない。マルもバツもつけさせない。わたしはわたしだけのものだから。わたしをうしなわないでほしい。いつのまにか。

うつくしいなあ。陽があたるだけで。いつも自分の顔が見えない。それなのにこの顔で、あなたに向きあうしかない。ここにいるから。
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