街頭にて/ドクダミ五十号
 
寒いのにご苦労様
「神の国は近づいた」らしい
罪も咎もあっさり流されて
永遠の幸せが来ると言う

盲信とは言いたくないが
実質的な行いをする方を信じます

救いの御手は神とは無縁
神を崇めてするのではありません

主よ希望と言う名の救いがあるなら
希求する人間にお与え下さい
全能ならば

未だ救いはおろか
逼迫する生命存在の危機にある人々
信じる対象が異なるだけで

時は一瞬も待たない
神への祈りは遅々として

募金箱にいくら貯まっても
遅いのだ

虚しいと嘆きつつ
街頭を行く
誰も救えないのではないかと
疑いながら

今日の命を繋ぐお金を
募金箱に落として
つくづく偽善と神の関係を考える

罪人の浅はかな脳で
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