エロビデオ屋での葛藤とレモンティー/瓜田タカヤ
モスバーガーのドライブスルーで、レモンティーを買って、車内で飲みながら
夜中、またしても東北電力へ電気料金を払いに車を走らせる。
レモンティーを注文する時というものは、32歳の駄目男にとっては
どこか恥ずかしげな寒い空気が肉体に粘着する。
小学生の時漠然とだが、喫茶店内でくつろぐと言う行為が
大人っぽいと思っていた。
その思いが未だあるって事は、大人っぽいという境界線内に、自分自身はまだ
入らない意識を持っているのだ。
まだ自分の事を(自分の思い描いた)大人だと思えていない幼稚さや渇望感
から来る、自分発自分着の一人完結羞恥心といった性質を
レモンティー注文は訴えて
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