Jane/mizunomadoka
 
彼女は撃たれて横向きに倒れた
一瞬、背中と胸から血が噴き出した
それから
泥に沈んでいった

永遠の数分
俺は車輌の下に這いつくばった



いつも仏頂面で
誰とも親しくなろうとせず
休日も食堂でロマンス小説を読んでいた
「どうやら俺は死ぬらしい」そうからかうと
肩をすくめて「今殺すわよ」と言った
本気で

生まれた町から何万マイルも離れた
糞みたいな場所で
何日もまともに寝てなかった
名前も知らない。ただのジェーン



軍は後方の拠点まで撤退し
数日後には更に撤退した
彼女の場所に戻ることはなかった



俺はあのピンクの本を買った
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