ともなく/青井
 



見るともなく見て
聞くともなく聞いている
見るつもりも聞くつもりもないが
目と耳が世界を拾ってくる

触れるともなく触れて
嗅ぐともなく嗅いでいる
意思がなくても五感は働いて
ぼくは常に世界を感じている

この身体はつくづく不可解だ
不随意筋が多すぎる
心臓も肺もみんな勝手に動いている
まるでぼくのものじゃないみたいに

こうしようとかああしようとか
考える前からぼくは生きている
生きようと思うでもなく
生きるともなく生きている

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