酒/葉leaf
こんな小さなグラスの中に集められた
植物たちの静かな泣き声
融けたまま凍ってゆくのだ
凍ったまま開花してゆくのだ
こんなに晴れやかな宴席でも
酒は私を悲しくする
人生の苦節ごとに酒は欲望されました
酒は避けがたい苦しみの滴りだから
そうして楽しく人の輪が広がり
食事もどんどん進んでゆき
だがこんな明るさは酒の本質的な誤謬であり
翌朝訪れるあの重たい感覚にこそ
植物たちの切り裂くような叫びが詰まっている
酒は一つの硬質な周期を描いて
大きな隔たりの中に人を置き去りにしていく
こんな小さなグラスの中に
私の無限の苦しみまで吸い取っているのか
酒はグラスごと床に落ちて
末期の光だけを発して何も語らなかった
戻る 編 削 Point(0)