星が降った聖夜/くみ
 

手を繋がれる瞬間の事を思うといつも胸の辺りがきゅっと締め付けられる感覚になる。
身長だって自分より一回り小さいのに何だか守られている気がしてちょっと気恥ずかしくもあるし嬉しくもなってしまう。

相変わらず温室は花のいい香りがする。今の季節は真っ赤なポインセチアが綺麗に咲いていたら。暫く2人で手を繋いだまま花を見ていたが、 何となく彼の方を見るとにこりと、爽やかに微笑んできた。少し寒いのかこちらに身体をぐっと寄せてきている。彼の体温を間近に感じた自分の心臓は少し鼓動が早くなっていた。

「なぁ、目閉じて?」

「なに?」

「いいから。開けてたら面白くなくなるだろ」


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