愛と孤独の彼方へ/葉leaf
光冨郁埜の詩集『豺』は、大雑把にいうと二つの原理と二つの空間から成り立っている。二つの原理とは傷と愛であり、二つの空間とは体験と虚構である。
人間誰しも生きていれば心に傷を負うものである。傷は外的なものが不意に内部に暴力的に侵入することによって生じるものであり、断片的でまとまりがなく、回避されると同時に脳裏に反復され、感情の複雑な混成体を作り出す。傷は本質的に孤独に抱え込まれるものであり、また外的衝撃が訪れたときに誰も助けてくれないという孤独は傷を生み出すし、対人関係において傷を負った人間は孤独に生きることになじんでしまう。傷は孤独の中にあり、孤独により生み出され、孤独を生み出す。
愛は
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