/木屋 亞万
 
タコの足を遠心分離器にかけてプラスチックにしたような洗濯物を干す器具に色とりどりのタオルを干して強風にくるくる回る様をみていたい
乾ききった空気の中で凍えたタオルが真っ直ぐな姿でパリパリになっていく

エンジンがかかった車のテールランプの下にある横向きの煙突からぼろぼろの煙が上がる
密室で濃縮されれば人を殺せる毒ガスを空中に薄く撒き散らしながら街行く幸せな人がみな少し不健康になればいいと願う

寒い中開け放たれたオープンカーの運転席の扉には窓を沈めて収納するスペースがあり
その最上部のゴムカバーに乗せた火をつけたばかりのタバコが糸煙を昇天させる

恋に現をぬかし視野の狭くなったも
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