手遅れ/青井
なにかを間違えているような気がして
ふいに立ち止まって振り返ったが
もちろん答えなど落ちていない
ただなんとなく
なにかを間違えているんだという気配が
点々と足跡のように続いている
なんだか心もとなくなって
はやく帰りたいなあと思う
思うけれども
どこへ帰ればいいのか分からない
もう手遅れなんじゃないかと思う
思いながらも
なにが手遅れなのかも分からない
心もとなさだけが
枯葉のように降り積もっていく
足跡から目を背け
かじかんだ手をこすり
枯葉を道端へ掃き寄せて
慣れた歩き方で足を進めるが
もちろん答えなど落ちていない
どこにも
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